- 残り2
頭痛が痛い。
そう、頭痛が痛いと書いてしまうほどに、頭痛が痛い。
原因は分かっている。
お風呂場で大分、水分を失ってしまったからだ。
とんでもない本を風呂に持ち込んでしまった。
いや、予感はあった。
本というものは不思議なもので、いい本は出合った瞬間にそれとわかり、手に取れば、それが確信に変わる。
そんな本だった。
そして、この本に散々に泣かされた。
お陰でこの頭痛だ。
長時間、風呂から出られずに泣き続けてしまったので、風呂から上がって測ってみると昨日から1.25Kg、体重も減っていた。
水分をたっぷりとったんで、今は落ち着いては来ている。
ただ、あの本の内容を思い返すと、だめである、また泣けてくる。
一度、読むともう引きつけられて、本を身から離せなくなる。続きが読みたくて仕方がなくなる。
頭痛は途中から始まっていたが、最後まで読むまで風呂から出られなかった。
名作である。
そして、必ず映画化されて、多くの人を泣かせる作品になると思う。
その作家の書く小説は、元々、好きだった。
あるいは、20作以上は読んできているかもしれない。
おそらく、作家名を聞くと、多くの人は知っているだろう。
多くの人は、彼の作品を読んだことがあるだろう。
もう、その人の作品はいいやと思う人もいるかもしれない。
何を今更、と思う人がいてもおかしくない。
ただ、いい感じで脱力した、こういう傑作を今なお繰り出してくるのか、と半ば呆然とする思いがする。のぼせたからではない。
作家という生き物を、怖く思うのだ。
あれほどの成功をこれまで収めてきて、今なお、こんな傑作を世に放つのかと。
こういう本に出合うために、人は本を読むのかもしれないと思う。
僕だけではなく、この感動を多くの人と一緒に味わいたいと思う。
それなので、この本を、9代目天狼院秘本とすることに決めました。
3年1ヶ月ぶりの、9代目天狼院秘本の誕生です。
今回も天狼院秘本は、以下の条件を承諾いただける方にのみお譲りいたします。