いつもありがとうございます。
天狼院書店スタッフの鳥井です。
「構図」とは、「ある画面上での構成のこと」を指します。
今回の「構図」感覚は、まさにこの
「よりよい構成をする上での、画家がもっている目線・感覚」を習得する
というものです。
「私は、絵は描かないから関係ない」と思った方は、ぜひちょっと待っていただきたい。
実は、あなたが何かしらの表現/クリエイティブをするとき、「構図」感覚は、全く関係ないとは言えないからです。
例えば、「構図」感覚は、以下のようなことにも応用できます。
・写真を撮るときの「構図」の決め方。
主役を引き立てるためには? 背景とのバランスは? より迫力を出すためには?
・動画撮影でのカメラワーク。
一画面ごとの構図はもちろん、動画全体の構成にも応用できます。テロップを入れる場所も「構図」になります。
・文章や小説を書くとき。
「描く」だけではなく「抜く」のも構図のポイント。「行間を書く」感覚と「画面の余白を活かす」感覚は似ています。(*文章の場合は特に、インプットの際に「構図」感覚が有効です。後ほど解説します。)
・もちろん、デザインにおける「構成」にも。
ビジュアルや文字の「間」を大事に、あらゆる要素が邪魔にならないように配置するのも「構図」感覚が必要です。
とはいえ、「構図」感覚といわれても、なかなかイメージしづらいものです。
一つ、事例をご紹介させていただきたいと思います。
例えば、この野菜の絵をご覧ください。
▼



みずみずしく、肉厚そうな夏野菜たち。身の張り具合や果汁の豊かさを感じます。
ここで「構図」はどのような効果を発揮しているのでしょうか?
一つは、『トリミング』の効果。
例えば、1枚目の絵は左上の赤いパプリカを指で隠してみるとどうでしょう。急に迫力が萎んでしまいます。
2枚目のさくらんぼも、もしお皿のフチまで全部描かれていたら、収まりはいいけれどこれほどのみずみずしさが伝わってきていたでしょうか?
あえて一部分を切った構図にすることで、迫力やリアリティに繋がっているのです。
もう一つは、『複数面』の効果です。
ナスの絵の「まるまると太った」印象は、実はアングル(角度)が関係しています。
ナスを真横でも縦でもなく、「斜め」に配置することで、ヘタ・側面・上の面の三つの面が見えるようになり、立体感や厚みが感じやすくなるのです。
これを、例えば写真に応用するとどうなるでしょうか?
まずはこちらをご覧ください。
▼


まったく同じシチュエーションで撮影した2枚の写真。
あなたはどちらにより「グッとくる」と感じますか?
おそらく、1枚目と答える人が多いでしょう。
なぜか。1枚目の写真は、先ほどの「構図」の効果を満たしているのです。
画面の中から人物の頭をはみ出させることで迫力が増し、2枚目の写真が真正面から撮影しているのに対して、斜めの角度からとることで、光が当たっている面と、影が落ちている顔の側面の「2つの面」があらわれて、立体感が出ています。
いかがでしょうか?
「構図」の威力を少しだけ体感いただけたでしょうか。
もちろんこれだけではありません!
「構図」感覚を身につける講座の中では、具体的な作品事例を紹介しながら、【様々な「構図」の効果】について先生に解説していただく予定です。



そして、実は、「構図」を学んでおくとお得なのが
「アウトプット」だけでなく「インプット」の力もがアップする
ということです。
理由は、「より良い構図」にするためには、まず、ひとつ一つのモノの特徴・成り立ちを理解することが重要だから。
そのため、画家は、まず描く対象の「形としての特徴」を見極めます。そうすることで、よりリアルに、そのものらしさを引き立てる「構図」を決めることができるのです。
(なので、単純に「描く技術」があっても「構図が悪い」となかなか魅力的な絵にしづらいのです。反対に構図を上手く使うことで、技術の拙さも”味わい”に変えることもできます。)
今回は、そんな『観察眼』『着眼点』についても公開していきます!
天狼院書店の小説講座でも、小説家の先生が「小説における描写」を「言葉のデッサン」と説明されていますが、デッサンする(絵を描く)過程で対象を観察することは、きっと文章での描写力にも繋がるでしょう。
画家の視点を手に入れることで、文章のリアリティもグッと上がってくるのではないでしょうか?
つまり、今回の新講座は、
モチーフ(自分が表現する対象)について「画家の視点」という新しい手法で理解する方法を学び、理解度を深めた上でよりよい構図/構成で表現する方法までを学ぶという内容になっています。
そのアウトプットは、写真・動画・文章・小説・デザインでも、なんでも問わないということです。
講義を聞くだけでもリベラルアーツ的にお楽しみいただけるかと思いますが、今回は、皆さんに「構図」感覚を身につけていただくというのがテーマです。
簡単な実践課題と講師からのフィードバックを通して、「構図」の面白さをぜひ体感していただければと思います。自分自身で「構図」をとってフィードバックをもらうことで、より「構図」感覚を習得していただけるかと思います。
(※フィードバックの関係で、限定30席となっております。)
ほんのちょっとの変化で、そのクリエイティブがグッと変わる。
不思議な「構図」の世界で、みなさんをお待ちしております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
講師プロフィール
鳥井正夫(Masao Torii)
・TORII絵画造形教室主宰 1980年~(41年間)油彩画・水彩画・絵手紙・デッサン・児童絵画・造形工作指導
・NHK文化センター「気軽に描こう水彩画」講師(2020年まで)
・西日本新聞(宗像版)彩墨画とエッセイ「花鳥風月」50回連載 冊子「花鳥風月」として自費出版
・福岡天神ギャラリー「SEL」西区室見ギャリ―「DO」福津市ギャラリー「サンストーン」「悠鳳」個展東京銀座ギャラリー「渚」でグループ展 その他
・福岡高齢者大学(宗像地区)水彩画講師
・福津市・宗像市地区小学校で絵画指導
・福津市宮地獄神社スケッチ大会・七五三ぬりえコンクール審査員
・福津市福間図書館/篠栗町立図書館で読書感想画指導
・「福津暮らし旅」講師