いつもありがとうございます。
天狼院書店店主の三浦でございます。
人生には“やるべきとき“というものがあります。機会、といってもいいかもしれません。
ところが、その“やるべきとき“だったことを知るのは、たいてい、ずっと後になってからのことです。
母を癌で亡くして、この秋で2年になります。
癌の進行は圧倒的に早く、その日を迎える前に“やるべきこと“をやる機会があったはずなのに、実際には生前、その機会を得ることができませんでした。
有り体に言ってしまえば、僕には上手に記録するスキルがあります。
文章にせよ、写真にせよ、動画にせよ。
そのスキルを、仕事で他人のためにはふんだんに使っているのですが、大切な人のために使うことができなかったーー
それが、罪悪感に似た小さな後悔としてずっと胸にわだかまっています。
皮肉なことに、母の実父である、90歳くらいになる僕の祖父の記録はしっかりととってありました。当然ながら、家族で最も高齢な祖父が優先だろうと考えていたからです。一生を物語として本にし、動画もDVDにまとめました。
祖父はありがたくも今も存命で、その本とDVDが活躍するのはもう少し先の話になりそうです。
ところが、生前、母の物語を記録する機会は得られませんでした。
あのときに、話を聞いておくべきだった、とほとんど無意識的に過去のカレンダーを思うときがあります。当然ながら、その時点に帰ることはできない。
たしかに、母の思い出は鮮明であり、僕が死ぬ直前までこの明瞭度は落ちることはないでしょう。それはいい。
けれども、僕ら兄弟の子どもたちが大きくなったときに、またその次の世代が育ったときに、あなたのおばあちゃん、ひいおばあちゃんはこういう人だったという明確な記録があれば、素晴らしいことだったのではないかと思うのです。
今回、皆さんに提供するサービスは、僕の罪悪感の解消のためのものなのかも知れません。
でも、これは考えてもみれば、僕だけの話ではないはずです。
誰にも、大切な人がいて、想定以上に長生きする場合もあれば、そうでない場合もあります。
ただ、言えることは、もしその大切な人が存命であれば、今が“やるべきとき“なのかもしれないということです。
もし、亡くなったとしても、残された人にとっては、また今が“やるべきとき“なのかもしれません。様々な人の記憶に残された姿をまとめるのも、有意義なことなのではないでしょうか。
いよいよ、開催する覚悟ができました。
通常のゼミでは4ヶ月間のものが多いのですが、今回は短期集中で、2ヶ月間の講座にいたします。
全4講座に絞ったのは、文章、動画のデータの完成こそが命であり、それを優先したからです。また、データのままでいいか、本や雑誌の形にしたいか、電子書籍にするかなど、ご希望やご予算はそれぞれだろうと思いますので、具体的なアウトプットの形は、「雑誌を作るゼミ」や「雑誌デザイン・ゼミ」「ZINE講座」など、他の講座に譲ります。
データさえできてしまえば、いかなる形でもアウトプットはできますので、本講座の費用を極限まで抑えて、記録に残すという目的を最優先に考え、価格も
2ヶ月間全4講義で¥33,000(税込)
と極限まで抑えました。ただし、フィードバックや管理の都合上、限定100名様とさせていただきます。(*満席になり次第、予告なく受付を締め切らせていただきます)
ファミリー・レコーディング講座では、「大切な人を記録に残す」ためのメソッドが込められた、「7つのレコーディング・シート」を埋めていけば、本と動画の「構成」が完成します。
この「7つのレコーディング・シート」は、もともと十数年前に当社が顧客向けに展開していた「大切な人を残す」サービスのために開発したメソッドを発展進化させたものです。
それに沿って、調べ、インタビューし、書けば立派に“編集“完成です。上手い下手は、どうでもいいのです。どうしても上手いほうがよければ、「ライティング・ゼミ」や「フォト講座」、「動画ゼミ」を受けてください。
それよりも、それを作るという想いが重要だと思います。そして、作るのは、今よりいい時期はないと、僕は思うのです。
もちろん、お一人でも作ることはできます。
けれども、できれば親族で編集チームを結成して作っても楽しいのではないでしょうか。
もしかして、こういう機会でもなければ、会いに行ったり、ビデオ電話で会話をしたり、話を聞いたりすることもそれほどないかもしれません。
この文章を読んでいる、今がまさに最大にして、最後のチャンスかもしれません。
そして、何より、思い出話を楽しみながら、作っていくことに価値があると考えております。
僕も、亡き母について、この機会に兄弟や親族と一緒にまとめようと考えております。
また、数十年後に、僕はどうまとめられるのだろうかとぼんやりと夢想しております。
どうぞよろしくお願いします。
①「クライマックス年表」自分で作るちょっと変わったオリジナル年表
②「人物サークル相関図」つながりの強い人間関係を網羅
③「ライフトピック・リスト」
④「DNA解体新書」良い点/悪い点/才能/適正を勝手に一覧化
⑤「公的/私的トロフィールーム」
⑥「人生移動図」場所と場所に対する想いのレコーディング
⑦「私家版名言集」エピソードから名言を抽出
*第1講の際に説明の上、お渡しします。
*こちらのシートを使用し、カリキュラムに沿ってレコーディング方法を解説していきます。
1977年宮城県生まれ。株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。天狼院書店店主。小説家・ライター・編集者。雑誌「READING LIFE」編集長。劇団天狼院主宰。プロカメラマン。2016年4月より大正大学表現学部非常勤講師。2017年11月、『殺し屋のマーケティング』、2021年3月、『1シート・マーケティング』(ポプラ社)を出版。雑誌『週刊ダイヤモンド』、『日経ビジネス』にて書評コーナーを連載。2009年4月1日に、「株式会社東京プライズエージェンシー」を設立登記し、その後、編集協力や著者エージェント、版元営業のコンサルティング業等を経て、2013年9月26日に「READING LIFEの提供」をコンセプトにした次世代型書店(新刊書店)「天狼院書店」を東京池袋にオープン。2022年現在までに、10店舗1スタジオを全国に広げて、運営している。現在、雑誌やコミック、電子書籍も含めた自身の月間書籍購入額は15万〜20万円で、読書冊数は月に100冊を超える。【メディア出演】(一部抜粋)NHK「おはよう日本」「あさイチ」、日本テレビ「モーニングバード」、BS11「ウィークリーニュースONZE」、ラジオ文化放送「くにまるジャパン」、テレビ東京「モヤモヤさまぁ〜ず2」、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、J-WAVE、NHKラジオ、日経新聞、日経MJ、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、雑誌『BRUTUS』、雑誌『週刊文春』、雑誌『AERA』、雑誌『日経デザイン』、雑誌『致知』、日経雑誌『商業界』、雑誌『THE21』、雑誌『散歩の達人』など掲載多数。2016年6月には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。雑誌『週刊ダイヤモンド』『日経ビジネス』にて書評コーナーを連載。