「小説を書きたい」と思いつつも、最初の一歩を踏み出せずにいる人はとても多いでしょう。
当社一番人気のゼミで、「読まれる文章」を書くスキルを学ぶ「ライティング・ゼミ」にも、フィクションに挑戦してみたいものの、そもそもフィクションの書き方がわからない・エッセイとの違いがわからないという人が少なくありません。
本講座は、そのような小説初心者の方に、まずは一歩踏み出すきっかけを与られれば良いと考え、企画されました。2ヶ月で集中し、実際に小説を「書きあげる」ことで、小説を書く感覚をつかんでいただきたいと思います。
受講生の方にとって、何よりもネックになっているのは、「書ききる」というスタミナがないことです。「書きたい」という思いはある。「こういうものを創りたい」というぼんやりとしたイメージもある。けれども、具体的に物語を動かし、辻褄を合わせ、キャラクターを描き、ラストまできちんと言葉を紡ぐまでに、息切れしてしまうのです。
「小説を書く」という作業には、想像以上に体力を使います。きっとこれまでにも、チャレンジしようとしたけれどもやり方がわからず、諦めてきた方々はたくさんいらっしゃるでしょう。
今回の講座を立ち上げたのは、そういったお悩みがある方々にとって、この2ヶ月で集中して「書ききる」という体験が、今後の創作人生に進むにあたってのカンフル剤になるのではないか、と考えたからです。
講師には、現役の時代小説家でいらっしゃる、谷津矢車先生をお呼びいたします。
谷津先生は、約4年半前、まだデビューされたばかりの頃、天狼院書店・店主三浦が出会い、衝撃を受けた作家さんです。三浦が「ものすごい才能を見つけてしまった」と興奮気味に言っていたのを、私は今でもよく覚えています。谷津先生の小説『蔦屋』(学研マーケティング)は、タイトル・著者名を隠し、黒いカバーをかけて販売する、初代「天狼院秘本」として展開され、店主・スタッフのみならず、お客様がたにも衝撃を与えました。
今回、谷津先生に講師をお願いしたのは、谷津先生が、他者を圧倒するほどの強烈な熱量をもって、小説創作に真剣に取り組まれているからです。プロとしてどう生きていくべきなのか、プロの小説家を目指す人間がどのような訓練をしていくべきなのか、誰よりもおわかりになっているだろうと思います。
現役でご活躍されている谷津先生に、書き続けていくためにどのような心がけをされているのかをお聞きすることで、モチベーションアップにも繋がるだろうと考えております。
現役の小説家の先生に教えていただき、ご自身の作品に取り組めるチャンスはなかなかございません。
なかなか作品を書き上げ切れず、もやもやとした小さな後悔と罪悪感が、小骨のように引っかかり続けている方もいらっしゃるだろうと思います。
「もう小説家になるなんて夢は諦めた方がいいのでは」と自信を喪失している方もいるでしょう。
それはもしかすると、集中して書き上げるチャンスがなかっただけなのかもしれません。
今回の講座が、皆様が次の一歩へと進むチャンスになればいいと思っております。
ずっとやりたかったことに挑戦してみませんか?
講師プロフィール
谷津矢車(YAGURUMA YATSU)
1986年東京都生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒。2012年『蒲生の記』で第18回歴史群像大賞優秀賞受賞。2013年『洛中洛外画狂伝―狩野永徳』でデビュー。二作目『蔦屋』が評判を呼び、若手歴史時代小説家として注目を集める。2018年『おもちゃ絵芳藤』で第7回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。2020年『廉太郎ノオト』が第66回青少年読書感想文全国コンクール課題作品(高等学校の部)に選出。