「あなたの説明じゃわからないから、他の人に代わって」
きっかけは、電話口で取引先から言われたこの言葉でした。私がまったく畑違いの分野で仕事をすることになって間もない頃のことです。
当時、私は職場で飛び交う専門用語の意味がわからず、知らない言葉に出会うたび、本で調べたり、人に聞いたりしていました。でも、具体的なイメージが思い浮かばないので、自分が人に説明するとき、うまく説明できないのです。
「他の人に代わって」と言われて悔しい思いをしてから、私は「現物を見る」「自分でやってみる」など、言葉とイメージを結びつけていくことに集中しました。それを繰り返すうちに、専門用語の意味がわかるようになり、専門用語を知らない人にもやさしく噛み砕いて説明できるようになりました。
それから数年後。転職の際に、「自分の強みは、わかりやすい説明ができること」と書くほど説明力に自信を持っていた私は、転職先の工場で、その「長くなった鼻」をへし折られました。
「色々話を聞かせてもらったけど、そんな話はどうでもええんや。それよりも、こっちが聞きたいのは……」と、工場周辺に住む地域の方から言われた言葉。
他部門の人に「この対策をしたら、コスト削減できますよ」と改善提案しても、「言われることはごもっともだし、できればいいに越したことはないけれど、無理ですね」と断られ、仕事が前に進まない。
なぜ私の説明は聞いてもらえないのだろう。
「わかりやすい説明ができること
「理路整然と説明できること」
「端的に伝えること」
これらができていたとしても、「伝わる説明」にはならなかったのです。
転機は、新入社員へ「凝集沈殿」という専門用語を説明したときのことでした。かつての私のように「凝集沈殿って何ですか」と怪訝な表情をした新入社員に、「こういう現象のことだよ」と、私は簡単な実験をしてみせました。すると、その新入社員の表情がパーッと明るくなり、「わー、すげー。これが凝集沈殿なんですね!」と、心の底から理解してくれたのです。
そのときの私は、相手が何を不安に思っているのか、どうしたら「そうか!」と合点がいくだろうかと、相手のことを考えていました。
そして、それまでの私の説明は、「相手にわからせよう」「伝えよう」と、自分に意識が向いていたから伝わらなかったのだと気づきました。
それ以来、私は相手の立場に立って、相手のことを考えて説明するようになりました。すると、「やれたらいいけど、できない」と言われていたことが、「こういう条件だったらできるよ」と言われるようになったり、「昔はあんまりいい印象持ってなかったけど、今は応援してるわ。頑張って」と地域の方から言われるようになったりしました。協力してもらえるようになったおかげで、仕事もスムーズにまわるようになり、やり直しに割く時間や何度も説明のために足を運ぶことが減り、効率もアップしました。
「相手の立場に立つ」とは「相手が何を見ているか」、その「景色」を一緒に見ること。そして、その景色に対して相手がどう解釈しているかを、良い悪いではなく、そのまま受け取ることです。
では、具体的にどうすればよいのか
それを「説明力養成講座〔3ヶ月集中コース/実践編〕」でお伝えします。
実際に「伝わらない説明」の事例を分析し、「相手が動いてくれるようになる」ためには、どこをどう変えたらよいのかを皆さんと一緒に考えていきます。
「わかりやすく伝えているはずなのに、たびたびお客様から質問がくる。そのたびに仕事が中断されて困っている」
「社内のコミュニケーションを改善しようと色々手を打っているが、効果が上がらない」
「丁寧に説明したのに、真逆の解釈をされてしまう」
そんなお悩みをお持ちの方はぜひ、ご参加ください。お待ちしております。
合同会社グーウェン代表。
「難しい」を「易しい」に変える伝え方ナビゲーター/コミュニケーション講師/ビジネスライティングトレーナー/ライター/ラジオパーソナリティ/日本NLPコーチング協会認定NLPコーチ
大阪大学卒業後、ソニーグループ、シャープで技術者・管理職として工場の環境保全業務を行う。
専門用語を噛み砕いて説明できることが評価され、「バックヤードの案内人」として、工場の見学者に環境対策の説明や、テレビや新聞からの取材に対応する業務を任されるようになる。
さらに、地域の市民講座や学校での出前授業の講師を担当。子どもから専門家まで、対象者に合わせて説明の方法を工夫したことで、「的確で分かりやすい」と社内外から好評を得る。
ヘッドハンティングにより中国国有企業に転職後は、100名を超える中国人部下の育成を通じ、相手に合わせた伝え方が国境の壁を越えて成果を出す鍵だと確信。
2020年に独立。会社員時代、さまざまな立場の人に合わせて説明の方法を工夫してきた経験を生かし、「コミュニケーション」をテーマに活動を開始。
受講者から「伝えたいことが相手に伝わるようになり、仕事の効率が上がった」「自信を持って自分のことを伝えられるようになり、起業家のスピーチアワードで準グランプリを獲得した」などの成果報告を多数受ける。
再現性の高い言語化力、説明力には定評がある。
『JBpress』『セゾンくらしの大研究』『天狼院書店WEB READING LIFE』などのメディアで執筆実績があるほか、ラジオパーソナリティとしても活動中。
深谷百合子(著)
書籍『賢い人のとにかく伝わる説明100式』が、
“面白かった”で終わらせない、超実践読書会 の課題本に選ばれました!
こちらのイベントでも、著者/講師に登壇いただきます! ぜひご参加くださいませ。
こちらは収益1,000万円を目指すプロジェクトPROJECT1000 After により作成されたコンテンツです。